「できることなら、最期まで自宅で介護してあげたい」
そう思って在宅介護を続けてきたご家族は、決して少なくありません。
私自身、これまで20年以上、1000件以上の相談業務の中で、在宅介護と施設介護の両方に関わる現場を見てきましたが、
そこで強く感じるのは、
在宅介護=正解、施設介護=かわいそう
という単純な話ではない、ということです。
実際には、在宅介護を限界まで続けた末に、
「もっと早く施設を検討していればよかった」
そう振り返るご家族の声を、何度も聞いてきました。
この記事では、
在宅介護から施設介護へ切り替えたことで
「本当に助けられた」「家族全員が救われた」
と感じた実際の事例を5つご紹介します。
ただし、施設に入ればすべてが解決するわけではありません。
良い面がある一方で、見落としやすい落とし穴も確実に存在します。
希望と現実の両方を知ったうえで、
後悔のない選択をしていただくための記事です。
なぜ在宅介護だけでは限界がくるのか
在宅介護がつらくなる理由は、「介護が嫌だから」ではありません。
むしろ多くの場合、真面目で責任感が強い家族ほど限界を迎えます。
日中の介助、夜間のトイレ対応、徘徊への不安。
睡眠不足が続き、仕事や家庭生活にも影響が出始めます。
さらに、認知症が進行すると、
・転倒や誤飲のリスク
・感情の起伏への対応
・家族への暴言や拒否
といった問題が重なり、精神的な負担も大きくなります。
介護する側が疲弊すると、
「イライラしてしまう自分」に自己嫌悪を感じ、
家族関係がぎくしゃくしてしまうことも少なくありません。
この段階で初めて、
「在宅介護だけにこだわらなくてもいいのでは」
と考え始めるご家族が多いのです。
施設介護に助けられた5つの実話
①夜間介護から解放され、家族が笑顔を取り戻した話
80代の母親を在宅で介護していた娘さんは、
夜中に何度も起こされる生活が続いていました。
トイレ介助や徘徊の心配で熟睡できず、
日中も常に疲れ切った状態。
「このままでは自分が倒れてしまう」
そう感じて施設入居を決断しました。
入居後、夜間は職員が見守ってくれる安心感から、
娘さんは久しぶりにぐっすり眠れるようになりました。
「母のことを考えなくなったわけじゃない。
でも、余裕を持って会いに行けるようになった」
そう話されていたのが印象的でした。
まず最初にお伝えしたいのは、「在宅介護の限界」は珍しいことではない、ということです。
夜間対応や寝不足、罪悪感が積み重なり「もう無理かもしれない…」と感じた家族が、有料老人ホーム入居で救われた実話があります。
▶【実話】在宅介護が限界だった家族が、有料老人ホーム入居で救われた話
②認知症が進んでも「安心」が増えた話
在宅介護中、最も不安が大きかったのは「事故」でした。
目を離した隙に外へ出てしまう、転倒する、火を使う。
施設では、24時間の見守り体制があり、
認知症への対応に慣れた職員がいます。
入居後、症状が劇的に改善したわけではありません。
それでも、
「何かあったらすぐ対応してもらえる」
という安心感が、家族の心を支えていました。
家族は介護者ではなく、
「ただの家族」に戻ることができたのです。
認知症の介護は、体力よりも「事故の不安」と「心の消耗」が積み重なりやすいのが特徴です。
在宅で限界を迎えた家族が、施設介護で本人も家族も笑顔を取り戻した実話があります。
▶【実話】認知症介護で限界だった家族が、施設介護で笑顔を取り戻した話
③医療連携で急変時に救われた話
在宅では、体調の変化に気づくのが遅れることがあります。
このご家族も、急な発熱や食欲低下に不安を感じていました。
施設入居後、看護師による日常的な健康管理と、
提携医療機関との連携により、
早期に異変が察知されました。
結果として大事には至らず、
「在宅だったら対応が遅れていたかもしれない」
と家族は話していました。
「まだ大丈夫」と思って先延ばしにしているほど、あとから後悔が深くなることがあります。
実際に「もっと早く入居させればよかった…」と感じた家族が、入居後に安心へ変わっていった実話があります。
▶【実話】もっと早く入居させればよかった有料老人ホームで家族が後悔から安心に変わるまで
④介護で壊れかけていた家族関係が戻った話
介護が原因で、
兄弟間や夫婦間の言い争いが増えていたケースもあります。
「誰がどれだけやっているか」
「なぜ手伝ってくれないのか」
施設入居後、介護という重荷が分散され、
会話の内容が「介護」から「日常」に戻っていきました。
結果として、
家族関係を守るための選択だった
と振り返られるケースです。
「施設はかわいそう」という気持ちは、親を大切に思うほど強くなります。
ただ、その迷いのまま在宅介護が続くと、本人も家族も苦しくなることがあります。
価値観が変わった決定的なきっかけと、入居後の変化をまとめた実話がこちらです。
▶【実話】施設はかわいそうと反対していた家族が有料老人ホームに入居して安心した例
⑤本人が「ここなら安心」と話した話
入居前は本人も不安を抱えていました。
しかし、職員や他の入居者との関わり、
毎日の食事や生活リズムが整う中で、表情が変わっていきました。
「思っていたより悪くない」
「ここなら安心できる」
その一言に、家族が救われたと語っていました。
一人暮らしの親は、何も起きていなくても不安が消えません。
「電話に出ないだけで動悸がする」「週末まで落ち着かない」――そんな家族が、入居で“安心して会いに行ける関係”を取り戻した実話があります。
▶【実話】一人暮らしの親が心配で限界…有料老人ホーム入居で家族が安心できた理由
それでも注意したい施設介護の落とし穴
ここまで良い話をしてきましたが、
施設介護には注意すべき点もあります。
まず、施設ごとの差は非常に大きいということ。
同じ「有料老人ホーム」でも、
職員体制、医療連携、費用、雰囲気はまったく異なります。
また、紹介センターや相談員に任せきりにするのも危険です。
すべての相談員が、家族の立場で考えてくれるとは限りません。
・見学を十分に行うこと
・契約内容や追加費用を確認すること
・複数の選択肢を比較すること
これらを怠ると、
「施設に入ったのに後悔する」
という結果になりかねません。
▼あわせて読みたい記事
施設選びを進める中で、紹介センターや相談窓口を利用するご家族も多いと思います。
ただし、すべての紹介センターが家族の立場で動いてくれるとは限りません。
実際の相談現場では、
「もっと慎重に相談先を選べばよかった」
と後悔されるケースも少なくありません。
施設そのものだけでなく、
“誰に相談するか”も結果を大きく左右します。
施設介護は、正しく選べば家族と本人を支えてくれる存在になります。
一方で、事前の確認不足や思い込みによって、
「こんなはずじゃなかった」と感じてしまうケースがあるのも事実です。
▶ネット紹介センター vs 対面式紹介センター|有料老人ホーム紹介センターの違いと失敗しない選び方
施設介護は、正しく選べば家族と本人を支えてくれる存在になります。
一方で、事前の確認不足や思い込みによって、
「こんなはずじゃなかった」と感じてしまうケースがあるのも事実です。
実際に、施設入居後に後悔したご家族の声を振り返ると、
いくつか共通する原因が見えてきます。


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