「こんなはずじゃなかった…」老人ホーム選びで家族が後悔する本当の理由
「こんなはずじゃなかった…」
これは、私が有料老人ホーム紹介センターで約20年働いてきた現場で、何度もお客様から聞いてきた言葉です。
事前に説明も聞いた。
パンフレットも見た。
見学もした。
それでも、入居してから
「話が違う」
「聞いていない」
「こんな生活になるなんて思わなかった」
そう言って後悔する家族は、決して少なくありませんでした。
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■ よくある「こんなはずじゃなかった…」の現実
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① 思った以上にお金がかかる
「この金額で入れますよ」
そう言われて、安心して入居したのに…。
実際に始まったのは
“想定外の請求ラッシュ”でした。
・オムツ代が別
・リネン代が別・洗濯代が別
・通院付き添いが別
・薬の管理料が別
・介護が少し増えただけで加算
・介護度が上がるたびに料金アップ
・退去時の原状回復費が高額請求・レクレーション費用が高額
気づけば、
「月に数万円のはずだった追加費用が、
気づいたら10万円近くになっていた」
そんな相談を、私は何度も受けました。
しかも一番つらいのは、
最初に説明されていないことが、
あとから“当然のように請求”されることです。
家族はこう言います。
「聞いてない」
「そんな話じゃなかった」
「こんなの詐欺みたい…」
でも契約書の片隅には、
小さく書かれていたりするんです。
だから、
文句も言えず払うしかない。
これが、現場で何度も見てきた現実です。
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② 言われたことと現実が違う
「夜間も職員いますよ」
「手厚い介護です」
「見守りも万全です」
でも、実際は…
・夜は1人夜勤
・ナース常駐と聞いたのに非常勤
・呼んでもなかなか来ない
・トイレ介助が追いつかない
「そんな話じゃなかったのに…」
この言葉も、何度も聞いてきました。
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③ 受け入れると言ったのに、いきなり退去を迫られる
認知症が進んだ。
医療行為が必要になった。
少し問題行動が出た。
すると…
「ここでは対応できません」
「転居を考えてください」
と、突然言われることがあります。
家族はパニックです。
行き場がない。
急に探せと言われても無理。
それでも、
出なければならない現実。
これも、現場のリアルです。
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④ スタッフがすぐ辞める
・いつ見ても職員が違う
・新人ばかり
・ベテランがいない
人が辞める施設には、
必ず理由があります。
それは、
利用者にも確実に影響します。
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⑤ 1年、2年経っても空室だらけ
「駅近なのに空いている」
「新しいのにガラガラ」
「値段も安いのに埋まらない」
それは要注意です。
良い施設は、
宣伝しなくても自然に埋まります。
それでも空いているということは、
・評判が悪い
・トラブルが多い
・紹介が止まっている
そんな可能性が高いです。
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■ なぜ、こんなことが起きるのか
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老人ホーム選びは、
「情報を持っている側」が
圧倒的に有利な世界です。
施設側はプロ。
家族はほぼ素人。
だから、
良い面だけを信じてしまう。
そして、
後悔が生まれます。
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■ 費用で後悔しないための最低チェックリスト
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□ 月額費用に何が含まれているか
□ オムツ・洗濯・通院付き添いは別料金か
□ 介護度が上がったらいくら増えるのか
□ 医療対応が必要になったらどうなるか
□ 退去時はいくらかかるのか
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■ 最後に
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老人ホーム選びは、
施設を選んでいるのではありません。
その人の、
残りの人生を選んでいるのです。
「こんなはずじゃなかった…」
この言葉だけは、
誰にも言ってほしくない。
このブログが、
誰かの後悔を止められる場所でありますように。